賽は投げられた。
1月にチームが始動してから今日まで、紆余曲折はありましたが気が付けば今週末、2017シーズンのリーグ最終戦を迎えます。
勝てば自力でのプレーオフ進出が決まる大一番。
山雅らしいステージがしっかりと用意されましたね。
今頃、皆さんはどんな心境でこの日を迎えているでしょうか。
改めまして、いつも松本山雅FCへご声援頂きありがとうございます。
こんな大事な時だからこそ、少しでも自分に出来る事を、という事で久しぶりのオザレポを書かせて頂いています。
今シーズンはなかなか結果が出ない時期もあり、苦悩や挫折をいつも以上に味わったシーズンでもあったと思います。
それでも少しずつ軌道修正を繰り返し、リーグ最終戦をこうして様々な可能性が残る形で迎える事が出来たということ、それはこの活動に関わってくれた全ての人達が真摯に取り組んだ成果だと思っています。
ただ、現状をどう捉えるかというのは人により様々かもしれません。
先日、アルティスタ東御が残念ながら全国社会人大会で敗退し、今年のJFL昇格は叶いませんでした。
この過酷で厳しい大会を通じて得る経験は何にも代え難いものですし、この経験を活かしてまた1つ、クラブとして成長していくのだと思います。
いつか、あの時があったからこそ今がある、そんな風に振り返る日が来るのでしょう。
この大会の時期になるといつも、必死にボールを追いかけていたあの頃を思い出します。
そして自問自答します。
私たちはあの頃憧れていたJリーグクラブになれているのでしょうか。
立場が変われば物事の見える角度が変わる。
物事の見える角度が変われば世界が変わる。
確かに松本山雅を取り巻く環境は劇的に変化をしてきました。
Jリーグに上がり、観客動員数も1万人を超え、プロビンチャのクラブとして地域社会に溶け込み、松本山雅を”マツモトサンガ”と間違えられるような事は少なくなってきました。
でも、だからこそ自問自答します。
今の松本山雅はこの地域の方々にどう映っているのだろう。
先日、松本駅前で最終戦に向けた告知活動、チラシ配りをしました。
これは昔から選手、スタッフ、サポーターが一緒になって行ってきた大切な活動の1つです。
そして、実はこれが現状を測る為のバロメーターであり、自分たちを戒め、そして励ますための貴重な機会であると思っています。
普段、私たちが接しているのは松本山雅を応援してくれる方々。
スタジアムで様々な問題が起こったり、クラブへ苦言を頂くことも多々ありますが、それでもそこには松本山雅を応援してくれているという大前提があります。
でも、このチラシ配りは完全なる不特定多数の方々と接します。
そこには興味のない方から、熱心に応援してくれている方まで、様々な方がいます。
分かりやすいように松本山雅のエンブレムがついた服を着て、でかでかとポスターを掲げ、声をかけながら手渡しする。
それでもチラシを受け取ってもらえる確率は3割くらいでしょうか。
チラシを受け取って「今週末も応援にいくから頑張って」と声をかけてくれる方。
その一方でかたや、目すら合わせてもらえずチラシを受け取ってもらえない方。
昔は選手総動員でやってもほとんど受け取ってもらえなかったのでそれを考えると有り難い現状かもしれませんが、本当に様々な方と接するのがこのチラシ配りです。
でも、この活動を通じていつも改めて確認するのは、相反する2つの想い。
現状に満足しない事。
そして、現状に感謝する事。
それは今のこの現状をどう捉えるかというところにも共通して言える事だと思っています。
今年は昨年に比べれば確かに厳しい現実に直面しています。
思い描いていた成績ではないかもしれませんし、もっともっと出来るはずだ。
もっとクラブとして成長しないといけない。
そんな想いも確かにあります。
でも、勝てば自力でプレーオフに進出する事が出来る。
長いシーズンを戦い抜いてここまでたどり着いたこと。
そして、そんな大一番の試合が経験出来る事に感謝する事を忘れてはいけないと思っています。
そして何より、この状況でなければ感じられない事、出来ない経験がある。
経験したことがあるということ。
これは何にも代えがたいアドバンテージだという事を私たちは身をもって体感してきました。
2009年。
JFL昇格を決めた年。
ここで負けたら終わり。
そんな局面をいくつも乗り越えて全員の力で掴み取ったJFL昇格。
でも、そこに至るまでには本当に苦い経験を繰り返してきました。
2007年。
北信越リーグで優勝し、挑んだ地域決勝大会。
アルウィンでの1次ラウンド最終戦で敗戦。
翌2008年。
再び地域決勝大会に挑んだものの再び1次リーグ最終戦、PK戦の末に敗戦。
この時も冷たい雨が降っていました。
この悔しい経験があったからこそ、2009年のJFL昇格があったと思いますし、この敗戦があったからこそ、達成した時は言葉では表せないくらい感慨深いものがありました。
2013年。
リーグ最終戦で勝利したものの他会場の結果により最終順位は7位。
プレーオフ進出を逃すという本当に悔しい経験をしました。
でも、今でも覚えているんです。
誰もが下を向きたくなるような現実に直面したあの瞬間。
ため息としばらくの静寂の後、スタジアムに沸き起こった拍手の音を。
あれほど温かくて心強い拍手は後にも先にも経験した事がありません。
あの拍手にどれほど心が救われたか。
あの拍手にどれほど前を向く勇気をもらったか。
そこには間違いなく松本山雅というクラブに関わる人たちの想いが詰まっていました。
翌年のJ1昇格への道筋は、あの瞬間から始まっていたのだと思います。
そして2016年。
プレーオフ準決勝敗退。
冷たい雨が降りしきる中、無残にも砕け散った夢。
目の前が真っ暗になるような悲壮感が漂うスタジアム。
でも、あの瞬間から私たちは再び前を向いて歩き出しました。
だって知っていたから。
どんなに絶望の淵にたっても必ずまた立ち上がれることを。
そして、その経験は必ず次の成功への序章になるということを。
だから大丈夫。
経験した事があるということの意味。
1試合の重み、1プレーの重み、一言の重み、そして1つの拍手の重み。
私たちはそれを知っている。
あの時、本当に悔しい思いをしたけど、あの悔しさがあってこそ今が在る。
1人1人の体と心にしみ込んだその経験がクラブとしての上積みとなっている。
大事な試合だからこそ、今まで自分達が経験してきたことの意味を信じて明日は自信を持って挑みましょう。
不思議ですね。
あれほど見たくなかったあの日の絵が、今はモチベーションにかわる。
ピッチでの借りはピッチでしか返せない。
奢る事なく、
現状に満足することなく、
現状に感謝しつつ、
昨年の忘れ物をとりもどしにいきましょう。
っと、締まったところですが最後に。
シーズン終了後の祝勝会、1年の振り返りの会は是非、喫茶山雅で。
/kissa/117365
告知がないとオザレポ完結しませんのですみません。笑
それでは、明日は史上最大のコレオで選手達を後押ししましょう!!
ではまた。