オザレポ
いつも松本山雅FCへご声援ありがとうございます。
皆さんもご存じの通り、現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020明治安田生命Jリーグは 3月中の試合開催の延期をしています。ヨーロッパ各国のリーグも中断していますし、サッカーのみならず世界中のスポーツや各種イベントが軒並み延期や中止になっており、過去に例のない状況の中、それぞれが対応に追われています。
クラブの中の業務でも試合が延期になっていることで平素とは違う対応に追われる日々ですが、こんな状況の今、物事を決めるときには必ず「こんな時に」という言葉がキーワードとして出てきます。
「こんな時に」
「こんな時に」だからこそ
言葉って難しくて、少しの違いや発信の仕方で意味合いが大きく違って伝わってしまうことや、想いがきちんと伝わらなかったりすることが多いですね。情報過多の現代で日々の報道を見ていても、同じ状況を伝えていても表現方法や言葉の並びによって違う状況のように捉えることが出来てしまって、物事を正確に判断するのは非常に難しいなと思ってしまいます。
そんな状況の中でそれぞれが難しいジャッジを迫られているのは間違いないのですが、「こんな時に」の後につく「だからこそ」という言葉を意識して思考、判断、行動ができるかどうかが今後を大きく左右するような気がしています。
というわけで、約1年半もの間、寝かしていたこの「オザレポ」を書こうと思えたのも、「こんな時にだからこそ」ですね、少しだけお付き合い頂ければ幸いです。
有難いことに年々、松本山雅FCを支えてくれる方達が増え、クラブにも多くのスタッフが在籍するようになりました。その中で、試合が延期になってしまっている現状に対してもクラブの中でも多くのスタッフが、情報収集、情報共有をしながら今後の対応について検討を重ねている状況です。
試合の再開時期やそれに対する私見をここで述べるのは省かせてもらいますが、試合の開催が延期になって、それに伴ってやらなければならない業務ということがそれぞれ多くある中で、前述の「こんな時にだからこそ」という視点で動いてくれているスタッフが沢山いて本当に心強く思っています。
皆さんに見える部分でいうと、まずは「スマイル山雅」運動プログラム動画の公開ですね。室内でも出来る運動を片山&今井の元気な2トップで楽しく紹介してくれていて、見ているだけでウイルスが飛んでいくような気になりますし、免疫力向上にも運動は必要不可欠な要素だと思うので理にかなった取り組みですよね。
また、【スマイル山雅】おうちでやってみよう!ガンズくんからの挑戦状は、クラブの中からアイデアを出し合って作ったプリントですが、これ何気に難しくて、小学生高学年向けの「社会」の問題は必死に考えましたし、「ガンズくんを探せ」ではいまだに8体中の最後の1体が見つけられずに悔しくて答えを確認せずに意地でも探そうと必死になっています。是非、大人にも挑戦してもらいたい内容になっているのでお時間ある方はお子さんと一緒にチャレンジしてみて欲しいと思います。
あとは、「こんな時にだからこそ」クラブとサポーターの皆さんを繋ぐ場所として「喫茶山雅」の存在がありますね。実際にこのような状況になって企画していたイベントはほとんどが延期、もしくは中止になってしまっていますが店舗は今まで通り営業をしています。ご来店頂ける方には手指の消毒をしてもらう等の対策には協力してもらっていますが、極力、通常通り皆さんと山雅を繋ぐ場所として営業は続けていきたいと思っています。そんな中、クラブとしてこの状況の中、出来ることの一環として「お子さま弁当」の販売を開始しました。
地域の皆さんのために出来ることの1つとして「子ども食堂」は以前から検討に上がっていたのですが、春休みに入る前に学校が休校になりお子さん達の居場所がなくなって困っているという声を耳にして「こんな時にだからこそ」ということでクラブスタッフが迅速に動いてくれて、様々な方の協力を頂きスタートさせました。こちらは子供たちの安心安全な食事提供や待機場所を提供しつつ、JA全農長野様のご協力で「松本山雅牛乳」も無料にて提供できるような取り組みにすることが出来ました。
そして、クラブと皆さんを繋ぐ場としてもう1つ、オンラインがありますね。そんな2つの繋ぐ場を活用して3/20(金・祝)には喫茶山雅のインスタアカウントにてオンラインカフェトークを開催しようというアイデアをもらい、「こんな時にだからこそ」ということで実行に向けて急ピッチで動きだしています。
当日はいつものカフェトークと同様に、ゲストの藤田選手と浦田選手に片山ホームタウン担当が様々な質問をぶつけてトークを展開していくことになると思います。当日のコメントや質問なども受け付けられるよう手配していますので是非、喫茶山雅のアカウントをフォローしてインスタライブに参加してもらえればと思います。
ここで上げたもののほかにも例えば育成スタッフも対応に追われる毎日を過ごしていますし、ホームゲームで販売する予定だった商品の対応や、開催予定だったイベントのリスケ、警備員の手配や、ボランティアさんとのやり取り、本当に様々な「やらなければならないこと」が沢山あります。でも、そんな中の対応1つにとっても「こんな時にだからこそ」と捉えて考え、行動することが出来るか。
いつか必ず訪れる再開の時に向けて今、何が出来るか。
それぞれが試されているような気がしています。
そして、この試合のない現状で皆さんはどんなことを感じていらっしゃるでしょうか。
JFL、そしてJリーグに昇格し、年間を通じて週末に試合がある生活が日常となり、それが中断によりなくなっている今、少し昔のことを思い出しています。
地域リーグに所属していた頃の話ですが、北信越リーグに所属しているのは8チームなので年間2回の総当たり制、合計14試合で順位を争います。
つまりホームゲームの開催は1年に7回だけ。
年間に7回しか訪れないホームゲームをどれだけ心待ちにしていたか。
あの素晴らしいスタジアムで試合出来るのがどれだけ楽しみだったか。
そんな気持ちを思い出しながら、週末に当たり前のように試合がある有難みを痛感する毎日を過ごしているのですが、先日、ホームゲームの準備でサンプロアルウィンに行った時にスタンドから撮った写真を見てホームゲームに訪れたある外国人観光客が残していった一言を思い出しました。
「素晴らしいスタジアムに、美しい山々。こんなに素晴らしいロケーションのスタジアムは世界中を探してもそうないだろう」
スタンドの後ろには残雪が映える北アルプスの山々、そして素晴らしい応援に包まれたスタジアム。
改めて、あの劇場空間の素晴らしさを再認識する毎日です。
また、あの素晴らしい光景を見られる日は必ず来る。
そして、「こんな時にだからこそ」スポーツの持つ力は最大限発揮されるべきだと信じています。
勇気や希望、感動で世界を明るく照らし、人々が一致団結して明るい未来へ進んでいけるように、いつか必ず訪れる再開の時を心待ちにしながら日々を過ごしていきましょう。
「こんな時にだからこそ」また少しずつ更新していきたいと思います。
ではまた。