反町康治監督 退任記者会見レポート
12月11日(水)ホテルブエナビスタにて、「反町康治監督 退任記者会見」を行いました。
神田文之社長のあいさつ
「このたび8年間指揮をとっていただいた反町監督が監督の職を離れるということで、このような記者会見を開かせていただきました。
メディア各社の皆様には、8年間にわたって、現場で反町監督を熱くご取材いただき、また本日お集まりのメディア皆様のお力を借りて、多くのファン・サポーターの皆さんに反町監督の生の声を発信する機会をいただいたことを感謝しております。
クラブとしては、引き続きクラブに関わっていただきたいということで監督にはお願いしております。ただ急な流れになりますので、答えを急いでいる訳ではありません。ゆっくり監督には考えていただいて今後のことを話していければと考えています」
反町康治監督のあいさつ
「こんにちは。こういう機会を作っていただきまして感謝しております。
つい先日、J1リーグの最終戦がホームで行われたわけですが、そのときには自分の進退について明言しませんでしたので、今日はそういう意味でも、映像を通して、文章を通して、写真を通して、ファン・サポーターの方々、ホームタウンの方々、スポンサーの方々。そうした方々にしっかりと御礼の挨拶をしたいと思います。
本来、こういう会見というのはあまり行われないものではないのかなと正直思っております。私の職業というのは追われるように夜逃げをする職業ですので不思議な気持ちですが、こうしてメディアの方々に集まっていただき、ある意味うれしく思っています。短い時間ですが気持ちをしっかりと伝えたいです」
質疑応答
――まず率直に、退任された今の気持ちをお聞かせください
8年間という長きにわたってここで仕事をできたということは、たくさんのサポーター、市民、スポンサー、会社、そして何より現場で一緒に仕事をしてくれたスタッフの皆さん…そういう方々の支えがあったからこそです。本当にそのことに関しては感謝してもしきれません。長くやることが果たしていいのかと自問自答した中で答えを出しましたけど、そういう意味では悔いのない形で終わらせていただきます。
――2012年に松本に来たときに「挑戦」というキーワードがあったと思います。この松本山雅というチームと反町監督の挑戦したいことはやり切ったのでしょうか?
これからも私個人は当然どんな形であれ挑戦したいし、それと同時にクラブも挑戦してもらいたいと思います。僕がここに来てからJリーグという舞台でやることになって、浮き沈みはあるけれどもどちらかというと右肩上がりの曲線を描いてきました。これからどうなっていくかは楽しみにしていますし、そうでなければいけないと思います。全体的には順風満帆に来たと思います。いろんな意味でサッカーに対する文化とか、環境とか、姿勢とか、生活の一部であるとか、メディアがたくさん取り上げてくれることであるとか。生活の部分にかなりサッカーが重きを置かれるようになったのはうれしいです。
辞任になったという点に関しては、やっぱりチームを預かって責任のある仕事をやっている以上、クラブは境界突破という目標を掲げてこの1年間やってきたわけです。その目標に到達できなかったということは、やはり現場を預かっている人間としてはけじめをつけなければいけないと思っていました。それだけの覚悟を持ってやってきたということです。
――8シーズンやって来られて、一番思い出に残っていることは何ですか?
多分それを聞かれると思ったので昨日の夜に予習してきました。(J1昇格を決めて)福岡から帰ってきた飛行機でパイロットが「松本サンガさんおめでとうございます」と言われてかなり打ちひしがれていたところに、地元に帰ってきたら滑走路の近くで何人もの人が松本山雅の緑の旗を振ってくれて、感慨深いものがありました。それと、一番最初にJ1リーグでやった豊田スタジアムでのファーストゲームです。松本山雅にとってはJ1デビューの試合だったんですが、あのときの我々のサポーターの熱量は、試合前からすごかったです。僕も(スペインにコーチ留学していた時期に)カンプ・ノウ(バルセロナのホームスタジアム)と何十回と通っていたことがある人間なんですが、下から空が見えないような緑の色の集合体を見て「いやあ…これはすごいことだな」と思ったことを思い出しました。その試合がまた劇的な試合でして、3−1から追い付かれるような展開になったんですけれども、ああいうエキサイティングなゲームをたくさんのお客さんの前で、松本山雅のJ1での第一歩を踏み出したのは感慨深いと思いました。あとは挙げたらキリがないんですけども、どの試合も試合が終わった後、特にサポーターの前で勝ったときに笑顔で応えられている姿を見るのがすごくうれしかったです。(J2を優勝した)昨年はその輪に僕も入らせてもらってちんぷんかんぷんな踊りをしましたけど、選手がそれを受け入れてくれたのもうれしく思っています。
――8年間支えてくれたサポーターへのメッセージをお願いします。
会見では「ブーイングされてもおかしくない試合なのに」という枕詞から始まった監督コメントが多かったのかもしれません。本当にストレスの溜まるようなゲームをしたりとか、特に今年はそういう試合が多かったのかなと思っています。そうした中で練習も非公開練習を多くしました。本来の松本山雅のスタンスとしてはよくないのかもしれないけれども、「結果にこだわって喜んでもらう」ということを前提に、少し触れ合う機会をなくしてしまったことをここでお詫びしたいと思います。本当に申し訳ありませんでした。
(サポーターは)常に近い存在でいてくれるし、サッカー専用の競技場というのはこのクラブにとって大きな存在だと思います。椅子を増設してより近い存在になっているのもありますし、アウェイでも遠いところでも時間とお金を使って喉がかれるほど応援してくれているのを本当にうれしく思っています。それが間違いなく成績や選手の力になってきたんだなと改めて思っています。テレビカメラや写真や書面という形になるかもしれませんが、本当にお礼を申し上げます。これからもより一層、トップリーグに君臨できるようにより応援していただきたいと思います。私もサポーターの1人になりましたから(笑)。
質疑応答の続きは、松本山雅FCプレミアムにてご覧ください。